カリフォルニアロールと私〜在米日本人としてアメリカで生きるということ〜

Florida

毎年同じことを言ってると思うんやけど


今年の夏も本当に早かった、光のような速さやったなと。


特にアメリカに来てからは、日々の生活を振り返る暇もなく


常に明日に向かってずんずん進み続けているような、そんな感じで。


2017年8月27日
5年前。渡米直後。ポートランドの空港にて。




気がつけば、私がアメリカに来てもう5年も過ぎたらしい。


アメリカに住むようになって、日本では経験できないようなことを経験できているとは思う。


でもその一方で、失っているものもある。


それは、日本との縁。


最近、夫の友人の結婚式に参加した。


夫と友人は、学生の頃からの幼馴染で親友の一人。


友人の結婚を祝えて、とびきり幸せそうな夫のそばに居させてもらい


私も心の底から、彼らの結婚を祝福した。


そんな中、ふと思い出したこと。


私は、自分の幼馴染の結婚式に参加できなかったということ。


2019年の夏、ちょうどアメリカで就職が決まり


ビザの関係でアメリカからの出国が禁止されていたので


日本に帰れなかった。


そのあとも、ありがたいことに日本の友人から何度か結婚式に誘われたが


ビザやらコロナやらで、全て不参加。




今年の8月末日、2年付き合った彼と結婚し、晴れて夫婦となった。


その約10日後に、私の祖母が天国へと旅立った。


93歳、大往生。


そう、最愛の祖母のお葬式に参加できなかったのである。





「今後、日本での冠婚葬祭に出席するのは難しくなるんやろうな」と


5年前に渡米する時に覚悟はしていた、はず。


私が日本にいる友人の結婚式に出席できなくても


祖母のお葬式に出席できなくても


当然ながら、式は始まり終わる。


日本の友人の結婚式への参加を断るたびに


そうやって自分に言い聞かせていた。


「私が居なくたって、最高の式になるんやから、ダイジョウブ」


馬車馬のように突っ走ったアメリカでの5年間。


あったかいお茶を飲みながら、ゆっくり考えることをしてこなかった。


そんな中、ふと友人の結婚式や祖母のお葬式に参加できなかったことを思い出し


ぐぐぐぐぐっと奥歯を必要以上に噛み締めてしまった、痛い。


まがいなりにも生きていたら、当然「覚悟」を決める時がある。


私も、これまで数えきれないほど「覚悟」を決めたことがある。


でも「覚悟」を決めたからといって、当たり前やけど上手くいくわけではなく


ポキポキっと折れてしまう時だってある。


でもその度に、覚悟を決めた時の自分を思い出して


再度覚悟を決め直す、そんな感じ。


そうやって何度も決めた「覚悟」が、気づけば自分の一部になっていくんだろうな、と信じている。



Florida
コロナパンデミックが起こる直前のフロリダ旅行にて。



アメリカ人の妻としてアメリカに嫁ぎ、アメリカ社会に身を置くということは


当然ながら、アメリカ社会に染まる必要がある。


それを「アメリカナイズ」と言うんだろう。


日本での生活の様子が、最近はもうあまり分からなくなり


良くも悪くも日本人ぽさが無くなってきていると思う。


かと言って、私はアメリカ人にはなれない。





大半の人が経験することを経験しない代償として


アメリカで私は、どうなるんだろう?


いや、どうなりたい?


なんて自問自答しながら、お寿司を食べようと


手にしたのは、カリフォルニアロール。


「あ〜。こんな私に、めちゃくちゃお似合いなお寿司やん」


日本人からは寿司じゃないと言われ


アメリカ人からは「ジャパニーズ寿司」だと思われている、カリフォルニアロール。


かつてアメリカに渡った日本人によって作られたカリフォルニアロールのように


「私も何者かになってみたいもんだなあ」なんて思いながら


いつもより少ししょっぱめなカリフォルニアロールを


ゆっくり味わうことにした、通り雨の中。


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たまにはこんな感じのブログもありかな?と思い、書いてみたんやけど


ちょっとしんみりし過ぎてるかな〜?笑


日本に居るときもアメリカに渡ってからも、基本ノリと勢いでなんでもトライしてきたけど


ニューヨーク
基本的にはご飯食べてる時が一番機嫌がイイ。笑




まあ、こんな感じでたまに心が「じーん」とすることも、あるワケで。当たり前にね。


これからも、私らしく突っ走っていきたいなと思いつつも


人生の機微に触れるということも大事にしていきたいです、いぇい。

人間だもの。ゆきこ

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